陽性とわかった感染者数が増えてきて、ようやく「これはやばい!」と動き出した地方と国。
海外を見れば悲惨な状況がすぐそこに現実のものとして存在していたにも関わらず、どこか大丈夫だという雰囲気。その数字に時差がある。現在も感染者は増え続けているだろう。
目の前まで危険が迫ってきてやっと「他人事じゃない。このままじゃ危険。」という危機感を持った人も少なくないのではないだろうか。
海外のことでしょ。
私の妊娠が分かったのが2020年1月。年明けには親戚で集まり、初詣にも行って皆でわいわい楽しくお節料理を囲んだ。 新型肺炎は武漢市で2019年12月に発生していたが、「コウモリ食べるから?」ぐらいの情報しかなく、全く危機感はなかった。
そして1月中旬、日本国内で初確認された。武漢に渡航歴のあった人だったため、「今、中国に行くと危ないのかな?行く予定もないけれど。」という感想。
国は2月1日、新型コロナウイルスに関連した感染症について、指定感染症とした。そして、ヒトからヒトへの感染が広まる要因となっている可能性があることがわかったのだ。さすがの私も「これはやばいんじゃないか。」と。
オリンピックの延期が決定したとたん、新型コロナウイルス「陽性」の数がどんどん増え全体像が見えてきた。無症状者の不顕性感染も多いという。自分が大丈夫でも人にうつすのが厄介なところだ。医療崩壊を防ぐために検査対象を絞っているのも、検査結果の精度が100%ではないことも理解しているが、電話をかけても「検査を断られる」と言う話が出ていることに不安を覚える人も多いだろう。感染者が増えていくこと、病床が足りなくなることは容易に想像できたはずだ。何とか開催できるようにとオリンピックに気を取られ、足元を掬われた感じが否めない。どうして検査数を減らしている間にもっと早く準備に取り掛からなかったのか。
3月:個人の危機感の差がはっきりとわかれる。
3月に入りいよいよ他人事じゃなくなってきた。通勤・勤務も怖いと職場に申し出た。が、職場では「何をそんなに怖がってるん?大丈夫やって。」という雰囲気。自分は罹らないと思い込み、マスクもせず、毎晩飲み歩いている人たちには、妊婦で働いている私の不安な気持ちなどわからないだろう。
妊娠してからのインフルエンザでさえ本当にしんどく、何よりお腹の子が不安だった。気を付けていたのに感染したこと、何度お腹の子に謝ったかわからない。
この時は発熱した息子のインフルエンザが見逃されていてわからなかった。もちろん気を付けて看病はしていたのだが。「わからなかった」ということがどれだけ怖いか身に染みた。
これで新型コロナウイルスに罹ったら、使える薬もないためどうすればいいんだろう。3密を避けてとは言うけれど、休日に家から1歩も出なかったところで、5/7日もある通勤電車に乗って、感染予防もしない意識の低い職場で働きどうやって避けることができるのか。お腹の命を守るためには、もう限界だと思った。(下の記事にまとめています)
「自粛って言ったって、店開いてるし」「自分は罹らないし」と自分勝手なだけでなく、無症状で人を死に追いやったり、またその人達が感染者となった場合には大切な医療従事者が危険な目に合わされている。「迷惑」以外の何物でもない。しかし、悲しいかな伝わらない人には理解不能なのか。国が強制力を持った外出禁止ができない以上、“日本語のニュアンス”に近い何かを感じ取らなければならないのかもしれない。
4月:7都府県対象の緊急事態宣言
遂に7都府県対象だが、4月7日から5月6日まで「緊急事態宣言」が行われた。(その他の県も独自でだしているところもある。)
感染者数の急増を抑え、医療崩壊を防ぐ2つの意味がある。
1週間遅かったという人もいるが、それは多くの人が思っているだろう。今おかれている現状を正しく報道してくれない情報不足にも不安を覚える。
これはできていて、これが足りない。だからこうしていく。
というビジョンがあまりにも見えなさすぎるのだ。
やっと妊婦に対しての動きがあった
3月時点でも休校措置では保護者に保障があったのに、「お腹の命」は忘れられたという不信感。そして、今も危険に晒されている妊婦がいる。
強制力のある「妊婦の出勤停止」を求めていても、国は意図的に無視したいのか?というレベルで「妊婦」という声に出してたった3文字を口にしなかった。そればかりか報道では「妊婦最強説」とも言えるような発言もあった。
そんなに妊婦が自分で最強だと自覚できれば、こんなに心配することもない。「妊婦様上等」と思える強さがあるなら、職場のこと、引継ぎのこと、そんなこと「関係ないから」と言い切って自分だけ逃げることもできる。今、一番悩んでいるのは、責任感・使命感やその他の色々な理由で働かなきゃ、休めないとしている妊婦なのだ。そして、自分が感染するだけならまだしも、お腹の子に何かあったらといつまで続くかわからないこの新型コロナウイルスの脅威に曝され続けているのだ。
妊婦が諦めず声を上げ続けて頑張っていること
妊婦以外で妊婦を守ろうとしてくれた人がいること
妊婦の存在、つらさを理解し声を届けてくれた議員がいること
私も含めた妊婦はずっと「妊婦は無視されてきた。」と思っていたが、やっと参議院予算委員会や報道でも「妊婦」に対して言及され始めた。
職場の理解が得られず、未だに新型コロナ感染者が増える恐怖の中、働く妊婦がいる事実。
国内の妊婦さんが感染することのないようにと思っていたのに現実になってしまったこと。
妊婦・ママ達が初めから守りたかったもの。
それは大切な命。将来のある子どもの命。
しかし、もう、個人では限界まで来ています。
これ以上不安な思いや、辛い思いをする妊婦が出ないよう。
どうか、1日でも早く国から強制力のある「妊婦の出勤停止」を希求する。