タクシーの運転手が言っていた通り、出産する妊婦が多いのか分娩室は満員だった。いろんなところから叫び声が聞こえる。まだそこまでじゃない、そこまでじゃないと息を吐きながら、痛みが過ぎるのを待った。
他の部屋にバタバタと人が入っていく足音が聞こえる。そうかと思うと違う部屋から産声が聞こえる。私の順番はいつだろう、今か今かと待っていた。
ナースコールも1度も押さずに…
すると急に、股間に違和感を覚えた。
なんか、股に挟まっている気がする。もしかして赤ちゃん出てこようとしているの?あれ?痛い痛い…何?え?見えない、自分で確認もできないんだけど!何か出てる??
産院で私が叫んだはじめての言葉は「痛い」ではなく「何か出る!」だった。
その声を聞いた助産師が奥の詰所から出てきてくれた。私の部屋の奥の扉は詰所に続いていたらしい。あれ?その割に、全然見に来てくれなかったような…。まぁナースコールもしてなかったし、翌朝までまだまだだから、忘れられそうになっていたのかな。笑
その助産師さんが電話で連絡すると、どこにいたのだろうと言う数の人が部屋に入ってきてくれた。
こんなにたくさん人がいたのね。さっきまで私とのすけと2人だけだった部屋が急に人でいっぱいになった。
出産体験4に続く。
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